「小説を読みたいけど、難しい作品はちょっと苦手…」
そんな人にもおすすめしやすいのが『地雷グリコ』です。
ルールはシンプル。
しかも題材は、誰もが知っている遊びばかり。
それなのに、読み始めると驚くほど奥深い心理戦が始まります。
■あらすじ
女子高生・射守矢真兎(いもりや まと)は、文化祭の出店場所をかけた勝負に挑むことになる。
真兎のクラスはカレー屋を出店予定だったが、校舎内では匂いの出る料理は禁止。
そこで目を付けたのが屋上だった。
しかし、屋上は学校内でも最人気のスペース。
それに1店舗しか出店できないので、毎年ゲームで勝ったところが使用権を獲得できることになっていた。
屋上を狙う真兎の対戦相手は、2年連続で屋上を勝ち取ってきた生徒会役員・椚迅人(くぬぎ はやと)。
勝負方法は文化祭実行委員が決める。提示されたゲームは「グリコ」。
ジャンケンに勝った人が、「グリコ」「チョコレート」「パイナップル」の文字数分だけ階段を進むといった昔ながらの遊びだ。
場所は屋上につながる階段。先にゴールしたほうが勝者。
ただし今回は特別ルールがある。
お互い3か所だけ任意の段数に「地雷」を設置でき、相手がその段に止まると10段戻される。
その名も「地雷グリコ」
屋上まで48段。たった一度のミスが致命傷になる。
そして2人は気付く。「グリコ」の文字数が、すべて3の倍数であることに。
すでにお互いの戦略、心理戦は始まっていた。
単純な遊びは、一瞬で高度な頭脳戦へと変わっていく。
■感想
とにかく面白かったです。
この作品が高く評価されている理由が、読んでいてよく分かりました。
本作の魅力は、誰もが知っている遊びが“本気の頭脳戦”になること。
グリコやじゃんけんなど、子どもの頃に遊んだ単純なゲームなのに、ルールを少し変えるだけで一気に奥深い駆け引きが生まれます。
しかも、ただ運に任せるのではなく、
・相手の思考を読む
・必勝パターンを探す
・心理的に誘導する
といった戦略が重要になってくるため、読んでいて「次はどう攻略するんだ?」とワクワクが止まりません。
特に印象的だったのは、主人公・射守矢真兎の発想力です。
相手の策略にはまり、「もう勝てないのでは?」と思った場面でも、常識にとらわれないアイデアで一気に流れをひっくり返していきます。
この逆転劇が本当に気持ちいい。
気付けば完全に真兎を応援しながら読んでいました。
■読みやすさも大きな魅力
本作には5つのゲームが登場します。
・グリコ
・坊主めくり
・ジャンケン
・だるまさんがころんだ
・ポーカー
それぞれのエピソードが独立しているため、とても読みやすいです。
誰もが知っている遊びであり、さらに、
・文章がわかりやすい
・テンポが良い
・挿絵があってルールを理解しやすい
という点もあり、読書初心者でもかなり入りやすい作品だと思います。
ミステリーのような怖さや重苦しさはほとんどありません。
その代わり、駆け引きの緊張感や逆転の爽快感、「なるほど!」という驚きがしっかり味わえます。
■こんな人におすすめ
・頭脳戦や心理戦が好き
・読みやすい小説を探している
・ミステリー初心者
・ゲーム性のある作品が好き
逆に、
・重厚な本格ミステリー
・シリアスで暗い作品
を求める人には、少し軽く感じるかもしれません。
■まとめ
『地雷グリコ』は、「遊び」をここまで面白い頭脳戦にできるのかと驚かされる作品でした。
難しすぎず、テンポも良く、読んでいて純粋に楽しい。
「小説をあまり読まない人」にもおすすめしやすく、読書の入口としてかなり優秀な一冊だと思います。
「まずは読みやすい本から始めたい」という人には、特におすすめです。

