恋愛小説だと思って読むと危険な一冊『イニシエーション・ラブ』感想(ネタバレなし)

本の紹介

■はじめに

ただの恋愛小説だと思って読んでいたら、最後に完全にやられました。
正直に言うと、この本は途中まで「よくある恋愛小説」だと思って読んでいましたが、
最後の数行で、その認識は完全に覆されます。


この本は男女2人の恋愛ストーリーがメインとなっていて、SideAとSideBという2部構成でできています。本自体のボリュームも多くなく、読書初心者でも力を入れずに読むことができる1冊です。


■読んだ感想

まず、SideAは2人の出会いから描かれていて、今まで恋愛と縁のなかった男が合コンの人数合わせで呼ばれたところから始まります。


この人数合わせで呼ばれる経験は私もあるため、状況は違うが何となくその時の感情がわかるような気がしました。


その冴えない男が一人の女性に恋をし、不器用ながら一生懸命彼女のために努力し、付き合いだして仲を深めていく様子は、恋愛ストーリーの王道パターンではありますが、なぜか目を離すことができなくなってしまいます。


続いてSideB。今度は2人の大人な恋愛事情が描かれていきます。


付き合いが長くなり、お互いが出会った頃の想いを徐々に忘れ、すれ違いや心の葛藤のなかで、相手に対してどう接していくかというところは、これもよくある展開ではありますが、読者の心も揺らぐ部分だと思います。


本の内容自体は終始恋愛ストーリーであり、恋愛小説が好きな人は問題なく読み切ることができます。
恋愛小説が苦手な人でも、この本は厚みがなくページのボリュームが少なめであり、また、2部構成でもあることから、休憩しながら少しずつ読んでいけば最後まで読めると思います。


結局、イニシエーション・ラブはタイトル通り「恋愛小説です」と書いてしまうと、ミステリー好きの人は離れていってしまいそうですが、ちょっと待ってください。


ミステリー好きの人、お待たせしました。

ここからが、この作品の本領です。


この本を最後まで読んだ方にしかわかりませんが、最後の数行に全てが集約されています。

今まで感じてきた違和感の正体に気づいた瞬間、物語の見え方が一気に変わります。


私は一瞬思考が停止し、何が起こったのか分からなくなりました。
「ん?どういうことだ?」と理解が追いつかないまま読み終えてしまいましたが、内容を振り返ってみると、いくつもの違和感が浮かび、気づけばすぐに読み返していました。


そして本当の真実が理解できたとき、ミステリー小説ならではの「だまされた‼」という驚きと恐怖の感情、それと同時に、真実に辿り着いたという喜びの感情が入り乱れ、この本の持つパワーに圧倒されてしまいました。


結論として、この本は恋愛小説として読むこともできますが、読み終えたとき、その印象が大きく変わります。


■まとめ 

この作品はネタバレを知らずに読むことで、価値が最大化されます。少しでも気になった方は、できれば何も知らない状態で読んでほしいです。どんでん返しが好きな人、違和感の正体を考えるのが好きな人には間違いなくオススメできる1冊です。

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