童話の教訓がミステリーに?赤ずきんがイソップ童話の世界で謎を解く!|『赤ずきん、イソップ童話で死体と出会う。』感想(ネタバレなし)

本の紹介

「うさぎとかめ」「アリとキリギリス」「オオカミ少年」。

誰もが一度は聞いたことのある、イソップ童話。
そんなイソップ童話の世界で殺人事件が起こったら、いったいどうなるのでしょうか?

青柳碧人さんの『赤ずきん、イソップ童話で死体と出会う。』は、童話の世界を舞台にしたミステリー「赤ずきんシリーズ」の第4弾です。

これまでさまざまな童話や物語の世界を旅してきた赤ずきんが、今回迷い込むのはイソップ童話の世界。
そこでは「うさぎとかめ」や「オオカミ少年」など、おなじみの物語を題材にした事件が起こります。

しかも、イソップ童話といえば「教訓」がつきもの。
「嘘をついてはいけない」 「努力を続けることが大切」 「欲張ってはいけない」
そんな童話の教訓が、今回の事件とどのように関係してくるのでしょうか?

今回は『赤ずきん、イソップ童話で死体と出会う。』を、ネタバレなしで紹介します。


■あらすじ

世界中の童話を旅しながら、そこで起こる事件を解決してきた赤ずきん。

アラビアンナイトの世界での冒険を終え、今度こそ家へ帰ろうとしていた赤ずきんでしたが、再び思いもよらない世界へ迷い込んでしまいます。

そこは、イソップ童話の世界。
「うさぎとかめ」「アリとキリギリス」「オオカミ少年」など、誰もが知っている物語の登場人物たちが暮らしています。
しかし、そこは誰もが知っている童話の世界とは少し違っていました。
物語に登場する「教訓」が、現実のルールとして人々の生活に大きな影響を与えているのです。

そんな世界で赤ずきんが出会うのは、やはり死体。
「うさぎとかめ」では、あの有名な競争を思わせる事件が起こり、「オオカミ少年」では、嘘をめぐる奇妙な事件に巻き込まれていきます。

さらに、「アリとキリギリス」など、イソップ童話のおなじみの物語も、ミステリーとして大胆にアレンジされています。

童話の設定を利用した事件の謎を、赤ずきんはどのように解き明かすのでしょうか?

イソップ童話の世界を舞台に、赤ずきんの新たな推理が始まります。


■感想
「赤ずきんシリーズ」の面白さは、誰もが知っている童話をミステリーにしてしまうところです。

今回の舞台となるのは、イソップ童話。
「うさぎとかめ」 「アリとキリギリス」 「オオカミ少年」
など、子どものころに聞いたことがある物語が次々と登場します。

「もしも、この童話の世界で殺人事件が起こったら?」
という発想で、よく知っている物語をミステリーとして作り直しています。
そのため、元の童話を知っているほど、
「この設定をこう使うのか!」
と楽しめる部分がたくさんあります。

一方で、童話の内容を細かく覚えていなくても、事件そのものはミステリーとして楽しめるので、難しく考えずに読める作品だと思います。

本作で特に面白いのが、イソップ童話に登場する「教訓」が物語に深く関係しているところです。
イソップ童話といえば、単純に動物たちが活躍する物語ではありません。
「嘘をつくと大変なことになる」 「働かずに遊んでいると困る」 「努力することが大切」
といった、物語を通して何かを学ぶ作品が多いですよね。

本作では、そんな「教訓」が単なる物語のテーマではなく、事件を考えるうえで重要な要素になっています。
童話の内容を知っているからこそ、
「この話が、こんな事件につながるのか」
と驚かされます。
普通のミステリーではなかなか味わえない、童話と謎解きが組み合わさった独特の面白さです。

もちろん、本作でも赤ずきんの推理力は健在です。
童話の世界では、現実ではありえないような出来事が起こります。
それでも赤ずきんは、登場人物の言葉や事件の状況を一つずつ確認しながら、少しずつ真相へ近づいていきます。

特に面白いのは、童話の「お約束」に惑わされそうになるところ。
読者も、
「この物語なら、こうなるはず」
と思いながら読んでしまいます。
ところが、赤ずきんはそこに隠された違和感を見逃しません。
童話を知っているからこそ引っかかってしまうミスリードを、赤ずきんが見事に解き明かしていく展開は、読んでいて気持ちよく感じました。

本作は複数の事件が収録された連作短編集です。
そのため、長編ミステリーのように一つの事件を何百ページも追い続ける必要がありません。
一つひとつの事件を楽しみながら読み進められるので、普段あまり本を読まない人にもおすすめしやすい作品です。

ページ数も約260ページと、それほど長くありません。
「ミステリーを読んでみたいけど、長い小説はちょっと苦手」
という人でも、挑戦しやすいと思います。
また、童話を題材にしていることもあり、難しい設定を理解しなければならないタイプのミステリーではありません。
気軽に読み始めて、童話の世界と謎解きを楽しめる作品です。

本作は「赤ずきんシリーズ」の第4弾。
シリーズを通して、赤ずきんはさまざまな物語の世界を旅しています。
今回も事件を解決するだけではなく、
「赤ずきんは、いつになったら家に帰れるの?」
という、シリーズを通した楽しみがあります。

1冊だけでも楽しめる作品ですが、前作まで読んでいると、赤ずきんの旅そのものにも興味が湧いてきます。
童話の世界を転々としながら事件に巻き込まれる赤ずきん。
次はいったいどんな物語の世界へ行くのか。
ミステリーだけではなく、そんな赤ずきんの旅の続きも気になる作品です。


■まとめ
『赤ずきん、イソップ童話で死体と出会う。』は、誰もが知っているイソップ童話をミステリーにアレンジした「赤ずきんシリーズ」の第4弾です。

「うさぎとかめ」 「アリとキリギリス」 「オオカミ少年」
など、おなじみの童話が事件の舞台となり、そこに赤ずきんが探偵として登場します。

特に面白いのは、イソップ童話に欠かせない「教訓」が、事件の謎や登場人物たちの行動に関係してくるところ。
「知っている童話なのに、こんなミステリーになるのか!」
という驚きを楽しめる作品です。

また、連作短編集なので読みやすく、ミステリー初心者にもおすすめできます。
「童話が好き」 「気軽に読めるミステリーを探している」 「ちょっと変わった謎解きを楽しみたい」
そんな人には、ぜひ読んでほしい一冊です。

童話の世界で起こる殺人事件を、赤ずきんはどうやって解決するのか?
そして、赤ずきんは無事に家へ帰ることができるのか?

気になる方は、赤ずきんと一緒にイソップ童話の世界を旅してみてください。


■『赤ずきん』シリーズの紹介記事はこちら

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