今回は、初めてミステリー小説を読んでみようと思った方の中でも、
「読書自体が初めて」 「あまり本を読んでこなかった」「ミステリーでも読もうかな」
と思った読書初心者の方に向けた記事です。
「ミステリー小説 初心者 おすすめ」と検索してみても、いろいろな人がたくさんの作品を紹介していて、どれを選べばいいのかわからない。
「読書上級者がおすすめしている本は、初心者の私でも読めるのかな?」
そんな悩みや不安を感じる人もいるのではないでしょうか?
本を読むことに慣れていない人にとって、最初の一歩を踏み出すのは、意外と大変です。
私も最初にミステリー小説を読もうと思って検索しましたが、おすすめ作品がたくさんあり、自分にはどれが合っているのかわかりませんでした。
例えば、ミステリーランキングなどでよく名前を見かける『十角館の殺人』。
多くの読書好きの方がおすすめする名作です。
もちろん私のブログでもおすすめ作品として紹介しています。
私も最初に調べたときは、
「十角館の殺人がいいのかな」
と思って、本屋さんに行きました。
ところが、実際に本を手に取ってみると、ほかの本よりも分厚く感じました。
「これを最後まで読み切れるかな」
そう不安になり、結局買うのをやめてしまいました。
この経験から感じたのが、
「おすすめの本=読書初心者でも読みやすい本」ではない
ということです。
せっかくミステリー小説に興味を持ったのに、最初の1冊を選べず、読む前に諦めてしまうのはもったいない。
そこで今回は、私の主観にはなりますが、
「初めてミステリーを読むなら、この作品から始めてみては?」
という作品を選んでみました。
まだ読む本が決まっていない方は、ぜひ参考にしてみてください。
最初の1冊におすすめしたい作品はコレ
『#真相をお話しします』 著︰結城真一郎
まず、最初の1冊としておすすめしたい作品が、結城真一郎さんの『#真相をお話しします』です。
この作品をおすすめする理由は、比較的手に取りやすいボリュームと、読みやすい文章、そして短編集であることです。
ミステリー小説というと、
「難しい言葉がたくさん出てきそう」 「複雑なトリックを理解しないといけないのかな」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、『#真相をお話しします』は、文章も堅苦しい印象が少なく、現代的な言葉で物語が進んでいきます。
そして、5つの短編が収録されているため、長編小説を最初から最後まで読み続けることに不安がある人でも挑戦しやすい作品です。
何より、5つの物語それぞれに違ったミステリーの面白さがあります。
「ミステリーって、こういうものなんだ」
という感覚を知るための1冊として、入りやすいと思います。
まずは第1話だけ読んでみてください
読書に慣れていない人の中には、
「活字を見ると眠くなる」 「1ページ読むだけでも疲れる」 「本を開いても、なかなか読み進められない」
という人もいると思います。
そんな方は、最初から「1冊読み切ろう」と考えなくても大丈夫です。
まずは第1話の「惨者面談」だけ読んでみてください。
第1話は40ページ程度なので、長編小説と比べればかなり短く感じられると思います。
「今日は5ページだけ」
でも構いません。
自分のペースで少しずつ読んでみてください。
第1話では、家庭教師をしている大学生が、ある家庭を訪問するところから物語が始まります。
そこから、
導入 → 違和感を感じる → 問題が起きる → ヒントが出る →「もしかして?」と考える → 明かされる真実
という流れで物語が進みます。
ミステリーを読むときの、
「何かがおかしい」 「これはどういうことだろう?」 「もしかして、こういうことなのでは?」
と考えながら読む感覚を体験しやすい作品です。
第1話を読んで、
「この本なら、もう少し読めそう」
と思ったら、2話目、3話目と読み進めてみてください。
そして、もし1冊読み終えることができたら、それだけでも大きな一歩です。
「小説を1冊読み切れた」
という経験は、次の本を読むきっかけにもなると思います。
▽『#真相をお話しします』の感想記事はこちら

「短くて読みやすいミステリーを読みたい」「怖さのあるミステリーを読んでみたい」「最後に驚かされる小説が好き」 そんな人におすすめしたいのが、結城真一郎さんの『#真相をお話しします』です。 本作は、5つの物語が収録された短 […]
5つの話から、違う作品にも挑戦してみよう
『#真相をお話しします』に収録されている5つの物語は、それぞれ違った雰囲気や面白さがあります。
ドキッとしたり、ヒヤヒヤしたり、考えさせられたり。
「どの話が一番好きだったか」は、人によって違うと思います。
だからこそ、一番面白いと思った話から、自分の好みを探してみるのもおすすめです。
『#真相をお話しします』を読み終えた後に、5つの物語の中から、「この内容が好きだった!」という話を選んでみてください。
好きだった話の傾向から、次に読んでみてほしい作品を紹介します。
「惨者面談」が良かった人 → 『変な家』
「惨者面談」が良かったと思った人は、違和感が少しずつ積み重なり、最後に真相が明かされる展開が面白かったのではないでしょうか。
「これは、なんでこうなっているんだろう?」
と考えながら読むことが好きな人かもしれません。
そんな方に次におすすめしたいのが、雨穴さんの『変な家』です。
『変な家』は、「家の間取り図」から謎を読み解いていく、少し変わったタイプのミステリーです。
「なぜ、この部屋はこんな形になっているの?」
「この空間はどんな意味があるの?」
と、間取り図の違和感を感じながら、読者自身も考えていくことになります。
そして、少しずつ明らかになっていく家の秘密。
『変な家』は比較的ボリュームも少なく、物語の途中に間取り図が登場するため、文章だけを読み続けることに不安がある方にも挑戦しやすい作品です。
「違和感から謎を考えるミステリー」が好きなら、ぜひ読んでみてください。
▽『変な家』の感想記事はこちら

「ちょっと変わったミステリーを読んでみたい」「普通の推理小説とは違う作品を読んでみたい」 そんな人におすすめしたいのが、雨穴さんの『変な家』です。 この作品は、家の間取り図を手がかりに、その家に隠された謎を解き明かしてい […]
「ヤリモク」が良かった人 → 『イニシエーション・ラブ』
「ヤリモク」が良かったと思った人は、恋愛の駆け引きから、予想していなかった展開へ変わっていくところが面白かったのではないでしょうか。
男女がお互いの目的に向かって駆け引きをし、最後に想像とは違う展開が待っている。
そんな恋愛×どんでん返しに興味がある人は、乾くるみさんの『イニシエーション・ラブ』を読んでみてください。
『イニシエーション・ラブ』も、男女の恋愛を描いた作品です。
冴えない青年が一人の女性と出会い、恋愛を通して変化していきます。
物語が進んでいく中で、二人の関係にも少しずつ変化が起こります。
そして最後には、物語の見え方が大きく変わる展開が待っています。
本文も比較的コンパクトで、恋愛という身近なテーマが中心なので、物語をイメージしながら読み進めやすい作品です。
「恋愛ものが好き」「最後に大きなどんでん返しがある作品を読んでみたい」という方におすすめです。
▽『イニシエーション・ラブ』の感想記事はこちら

「パンドラ」が良かった人 → 『六人の嘘つきな大学生』
「パンドラ」が良かったと思った人は、物語が進むにつれて登場人物たちの印象が変化していくところが面白かったのではないでしょうか。
最初は「この人は、こういう人なんだ」と思っていたのに、物語が進むにつれて、
「え? この人って、こんな人だったの?」
と印象が変わっていく。
そんな物語に興味がある人は、朝倉秋成さんの『六人の嘘つきな大学生』がおすすめです。
『六人の嘘つきな大学生』は、就職活動に挑む大学生たちの物語です。
大手IT企業の最終選考まで残った6人。
最初は互いに協力しながら最終選考に挑んでいましたが、あるものが見つかったことで、6人の関係が一気に変化していきます。
それまで「優秀な学生」だと思っていた人物たちの印象が、次々と変わっていく。
人の心理や、登場人物の見え方が変わっていく展開が好きな人には、面白く感じられると思います。
300ページを超える作品なので、少し長く感じるかもしれません。
ただ、物語は大きく2部に分かれているため、まずは前半部分だけを目標に読んでみてください。
▽『六人の噓つきな大学生』の感想記事はこちら

「三角奸計」が良かった人 → 『仮面山荘殺人事件』
「三角奸計」が良かったと思った人は、序盤から漂う不穏な空気や、
「この人は、このあとどうなってしまうんだろう?」
というスリルが面白かったのではないでしょうか。
そして、
「きっと、こういうことなんだろう」
と思いながら読んでいたものが、最後に大きくひっくり返る。
そんな緊張感のあるミステリーが好きな人には、東野圭吾さんの『仮面山荘殺人事件』がおすすめです。
『仮面山荘殺人事件』は複数の人が集まる山荘で殺人事件が起きるといった内容です。
結婚式を目前に控えていた主人公ですが、突然の事故で彼女を失ってしまいます。
その後、彼女の家族に招待され、山荘に行きます。
ところが、そこへ強盗が侵入。
全員が監禁されるという緊迫した状況の中、さらに殺人事件が起こります。
犯人は誰なのか?
山荘に閉じ込められた人物たちがお互いを疑い始める中、物語は思わぬ方向へ進んでいきます。
300ページ程度と、長編小説としては比較的コンパクト。
物語の序盤から緊迫した状況が続くため、
「先が気になってページをめくってしまう」
という感覚を体験しやすい作品です。
「怖さや緊張感のあるミステリーを読んでみたい」という人は、ぜひ挑戦してみてください。
▽『仮面山荘殺人事件』の感想記事はこちら

「次は何が起こるんだ?」そう思いながら、ページをめくる手が止まらなくなる。今回紹介するのは、東野圭吾さんの『仮面山荘殺人事件』です。 本作は、湖畔の山荘に集まった男女が、逃亡中の銀行強盗に監禁され、その中で殺人事件が起こ […]
「#拡散希望」が良かった人 → 『告白』
「#拡散希望」が良かったと思った人は、日常の出来事の裏側に、思いもよらない恐ろしい事実が隠されていたことに驚かされたのではないでしょうか。
普通に暮らしているだけなら、何も起こらなかったはず。
ところが、ある事実を知った瞬間に、今まで見えていた世界がまったく違って見えてくる。
そんな感覚に惹かれた人には、湊かなえさんの『告白』がおすすめです。
『告白』は、とある中学校の女性教師と、その周囲の人々を描いた物語です。
女性教師の娘が亡くなったことをきっかけに、物語が大きく動き始めます。
そして、女性教師がホームルームで生徒たちに告げた言葉によって、被害者と加害者、そしてその周囲にいる人々の人生が大きく変化していきます。
『告白』は、いわゆる「イヤミス(読後にイヤな気持ちが残るミステリー)」として知られている作品です。
読み終わった後には、絶望感や喪失感など、何とも言えない感情が残るかもしれません。
ただ、重いテーマを扱いながらも、登場人物の状況や感情が伝わりやすく、物語に入り込みやすい作品です。
300ページ程度なので、ページ数という点でも挑戦しやすいと思います。
「少し重くても、心に残るミステリーを読んでみたい」という方におすすめです。
▽『告白』の感想記事はこちら

『#真相をお話しします』が合わなかったら?
ここまで『#真相をお話しします』を最初の1冊としておすすめしてきました。
でも、実際に読んでみて、
「あまり面白くなかった」
「自分には合わないかも」
と感じる人もいると思います。
これは、読書が向いていないということではありません。
「日常を描く話」「怖い話」「重い雰囲気の話」が、その時の気分と合っていなかっただけかもしれません。
『#真相をお話しします』が合わなかった場合は、
もう少しポップで優しい、現実から離れた世界を楽しめる作品に変えてみてはいかがでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、こちらの作品です。
『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』 著︰青柳碧人
『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』では、あの赤ずきんが旅の途中でさまざまな事件に巻き込まれます。
しかも、登場する人物や舞台には、
「シンデレラ」 「マッチ売りの少女」
など、誰もが一度は聞いたことのある童話が登場します。
童話の世界なので、魔法があったり、動物が言葉を話したり。
そんな楽しく不思議な世界で事件が起こり、赤ずきんが探偵役となって謎を解いていきます。
「ミステリーは難しそう」というイメージを持っている人でも、楽しみながら読める作品です。
文章も比較的イメージしやすく、物語の世界に入りやすいので、
「まずは楽しく小説を読むところから始めたい」
という方に向いていると思います。
▽『赤ずきん、旅の途中で死体と出合う。』の感想記事はこちら

誰もが知っている『赤ずきん』が旅先で次々と事件に巻き込まれてしまいます。 可愛らしい少女に降りかかる災難。赤ずきんを救ってくれる白馬の王子様も、助言をくれる博識な動物もいません。赤ずきんは自力で事件を解決するしかありませ […]
■まとめ
今回は、初めてミステリー小説を読む人に向けて、最初に読んでみてほしい作品と、最初の1冊を読んだ後におすすめしたい作品を紹介しました。
私自身、もともとは読書習慣がなく、ミステリー小説を読み始めたのも最近です。
読書上級者の方と比べれば、まだまだ読んだ本の数も多くありません。
だからこそ、読書初心者だった頃の「本を読むのがちょっと怖い」「どの本を選べばいいのかわからない」という感覚は、まだ身近に感じています。
実際に自分で読んでみて、
「これは初心者でも読みやすそう」
「この作品なら次の1冊につながりそう」
と思った作品を紹介しました。
もちろん、本の好みは人それぞれです。
今回紹介した作品が、必ずあなたに合うとは限りません。
でも、もしまだ読む本が決まっていないのであれば、最初の1冊を選ぶきっかけとして参考にしてみてください。
そして、もし1冊読み終えることができたら、それは立派な「読書の一歩」です。
そこから少しずつ、自分の好きなミステリーを探していきましょう。
■今回紹介した作品
最初の1冊 → 『#真相をお話しします』
「惨者面談」が良かった人 → 『変な家』
「ヤリモク」が良かった人 → 『イニシエーション・ラブ』
「パンドラ」が良かった人 → 『六人の嘘つきな大学生』
「三角奸計」が良かった人 → 『仮面山荘殺人事件』
「#拡散希望」が良かった人 → 『告白』
『#真相をお話しします』が合わなかった人 → 『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』
▽ほかにも初心者におすすめしたい作品を、こちらで紹介しています。

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