「短くて読みやすいミステリーを読みたい」
「怖さのあるミステリーを読んでみたい」
「最後に驚かされる小説が好き」
そんな人におすすめしたいのが、結城真一郎さんの『#真相をお話しします』です。
本作は、5つの物語が収録された短編集。
どの話も比較的短く、文章も読みやすいため、普段あまり小説を読まない人でもスラスラ読むことができます。
しかも、5話すべてに「どんでん返し」が用意されています。
「もしかして、こういうことかな?」
と予想しながら読んでいても、その想像を上回る結末が待っていることも。
中には、思わず鳥肌が立つような展開もありました。
今回は、そんな『#真相をお話しします』をネタバレなしで紹介します。
■あらすじ
大学生の片桐は、家庭教師の契約を取りつける営業のアルバイトをしていました。
この日も、小学6年生の息子を持つ母親から「家庭教師を探しているので話を聞きたい」と連絡があり、自宅へ向かうことに。
約束の時間に家に着きましたが、その家からは人のいる気配がまったく感じられません。
玄関のチャイムを何度か押しても、何の返事もありません。
しばらくすると、インターホンから「どちらさまですか?」と女性の声がしたので、
家庭教師の話で来たことを伝えると、「片付ける」と言われ、それから20分以上待たされることに。
ようやく玄関が開くと、そこには母親と思われる女性と、髪が濡れた少年がいました。
家の中に入り、家庭教師の説明を始めますが、母親はなぜか関心がない様子。
少年の方に話を振ってみても、少年は何も答えません。
少年のことを色々聞いてみますが、曖昧な返事ばかり。
何かがおかしい。
自分から家庭教師を探していると連絡してきたのに、この親子は本当に家庭教師を望んでいるのでしょうか?
この物語だけでなく、本作には5つの独立した物語が収録されています。
マッチングアプリで出会った2人、リモート飲み会で怒る友人、精子提供で生まれた子、YouTuberになりたい子供たち。
それぞれ舞台や登場人物が異なり、物語の内容も大きく違います。
5つの物語、それぞれに待ち受ける「真相」に驚かされるでしょう。
■感想
・5話すべてにどんでん返しがある!
『#真相をお話しします』の大きな魅力は、短編集でありながら、短い物語の中にしっかりと「どんでん返し」があることです。
収録されている5話すべてに、これまでの展開をひっくり返すような仕掛けがあります。
読んでいると、途中で「もしかして、こういう展開なのでは?」と先の展開が読めてしまうようなところもありました。
ただ、予想できたとしても、それで終わらないのが面白いところ。
「やっぱりそうだったか」
と思わせておいて、そこからさらに想像を上回る結末が待っています。
中には、思わず鳥肌が立つような内容もあり、
「これは怖い……」
と思わされました。
ミステリーを読むときに、最後に「えっ、そういうことだったの?」と驚かされる展開が好きな人には、かなり楽しめる作品だと思います。
・序盤から不穏な空気が漂っている
もう一つ印象に残ったのが、物語の序盤から感じる「不穏さ」です。
最初から大きな事件が起きるわけではありません。
むしろ、何気ない日常から物語が始まることもあります。
ところが、読み進めていくと、
「何かがおかしい」
「この先、何が起きるの?」
という感覚が少しずつ強くなっていきます。
この「先が気になる」という感覚が強いので、どんどん読み進めてしまいました。
「あと少しだけ読もう」
と思っていたら、そのまま次の話まで読んでしまう。
そんな読み方になりやすい作品です。
・日常に潜む怖さ
本作の怖さは、殺人をメインにしたミステリーとは少し違います。
殺人鬼が出てきたり、密室に閉じ込められて逃げられなかったりするような恐怖ではなく、
「普段の生活の中でも、もしかしたら起こるかもしれない」
と思ってしまうような怖さがあります。
もちろん、実際にはそんなことは起こらないだろうと思います。
それでも、
「もし本当にこんなことがあったら怖いな……」
と思わせるリアルな恐怖感があります。
この「ありそうで怖い」という感覚が、本作の面白さの一つだと思いました。
ミステリーだけでなく、少しゾッとするような作品を読みたい人にもおすすめです。
■短編集だからこそ読みやすい
5つの物語は、それぞれ独立しています。
そのため、1話目から順番に読まなければいけないわけではありません。
気になるタイトルの話から読んでも大丈夫です。
また、1つの話が短くまとまっているので、長編小説のように、
「登場人物が多くて覚えられない」
「途中まで読んだけど、前の内容を忘れてしまった」
といったことも起こりにくいでしょう。
文章も読みやすく、サクサク読み進められます。
さらに、本自体も比較的薄いため、
「小説を1冊読み切ったことがない」
という人にも挑戦しやすい作品です。
短編集で読みやすく、本自体も薄めなので、読書初心者にとても向いています。
■本格ミステリーとは違うけれど、初心者にはおすすめ
短編集ということもあり、1つひとつの物語に対する深みは、本格ミステリーの長編作品ほどではありません。
複雑なトリックをじっくり考えたり、登場人物の心理を深く読み込んだりするタイプのミステリーとは少し違います。
その代わり、
「読みやすさ」
「テンポの良さ」
「どんでん返し」
「日常に潜む恐怖」
を気軽に楽しむことができます。
特に、
「難しいミステリーは苦手だけど、最後に驚かされる作品を読んでみたい」
という人にはぴったりだと思います。
・『#真相をお話しします』はこんな人におすすめ
『#真相をお話しします』は、次のような人におすすめです。
読みやすいミステリーを探している人
ミステリー小説を初めて読む人
長編小説が苦手な人
どんでん返しのある作品が好きな人
日常に潜む怖さを楽しみたい人
少しゾッとするミステリーを読みたい人
一気に読める小説を探している人
特におすすめしたいのは、「ミステリーに恐怖感を求めている読書初心者」です。
文章が読みやすく、1話が短いうえに、物語にも引き込まれやすい。
それでいて、5話それぞれで「まさか」と思わせる展開を楽しむことができます。
■まとめ
『#真相をお話しします』は、5つの物語を収録した、読みやすい短編集です。
1つの話が短く、文章も読みやすいため、読書初心者でも気軽に読むことができます。
そして何より魅力的なのが、5話すべてに用意された「どんでん返し」。
展開が少し読めてしまうところがあっても、最後にはその想像を上回る結末が待っています。
また、本作は「日常の怖さ」を感じられるミステリーでもあります。
「こんなこと、普段の生活では起こらないだろう」
と思いながらも、
「もし本当に起きたら怖いな……」
と思ってしまう。
そんな現実味のある恐怖感を味わえる作品です。
短編集で読みやすく、本自体も薄め。
それなのに、序盤から不穏な空気に引き込まれ、
「何が起きるの?」
と気になって、どんどん読み進めてしまいます。
「ミステリーを読んでみたいけれど、難しい作品はちょっと……」
という人は、まず『#真相をお話しします』から読んでみてはいかがでしょうか。
「読みやすい」「怖い」「最後に驚ける」。
この3つを気軽に楽しめる、読書初心者にもおすすめの一冊です。
■初心者におすすめの作品はこちらで紹介しています。

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