「ミステリー小説を読んでみたいけど、どれを選べばいいのかわからない」
初めてミステリー小説を買うときは、たくさんある作品の中から、どれを選べばいいのか迷ってしまうのではないでしょうか?
「面白いのはどれだろう?」
「自分に合う作品はどれだろう?」
「難しくて最後まで読めなかったらどうしよう……」
そんなとき、本の評価や「ミステリー初心者 おすすめ」などの検索結果を参考にする人も多いと思います。
もちろん、それも作品を選ぶ方法の一つです。
ただし、評価が高い作品だからといって、必ずしも自分に合うとは限りません。
おすすめ作品を紹介している人にも、それぞれの好みがあります。
私のブログで紹介している作品も、私自身が読んでみて「初心者でも楽しみやすい」と感じた作品を中心に選んでいます。
でも、どんな作品を面白いと思うかは人それぞれ。
せっかく「ミステリーを読んでみよう」と思ったのに、自分の好みと合わない作品を選んでしまったら、ちょっと残念ですよね。
そこで今回は、「どんなミステリーを読みたいのか」という視点から、初心者向けのミステリーを8つのタイプに分けてみました。
「自分はこのタイプかも」
そんなものがあれば、ぜひ参考にしてみてください。
あなたにとっての「お気に入りの1冊」が見つかるきっかけになれば嬉しいです。
■ミステリーは「人気」より「何を楽しみたいか」で選ぼう
ミステリー小説には、本当にいろいろな作品があります。
犯人当ての楽しさ、トリックの難しさ、真実を知った驚き。
同じ「ミステリー」というジャンルでも、作品によって楽しみ方は大きく違います。
料理やファッションの好みが人それぞれ違うように、ミステリーの好みも人それぞれです。
だからこそ、「おすすめされているから読む」のではなく、「自分が何を楽しみたいのか」で選んでみるのがおすすめです。
今回は、ミステリーを読みたいと思ったきっかけを、次の8つのタイプに分けてみました。
・犯人探しやトリックを楽しみたい
・事件の真相が明らかになる過程を楽しみたい
・衝撃的な真相で驚きたい
・迫る恐怖にハラハラしたい
・犯罪に至る人間の心理を知りたい
・人間や社会の正義について考えたい
・探偵と一緒に謎を解決したい
・日常とは違う世界を楽しみたい
あなたは、どのタイプでしょうか?
■犯人探しやトリックを楽しみたい
「ミステリーといえば、やっぱり推理!」
そんな人におすすめなのが、犯人探しやトリックを楽しむタイプのミステリーです。
「この証拠から考えると、犯人はあの人では?」
「この状況には何か仕掛けがあるのでは?」
「どうやって犯行を実行したんだろう?」
そんなことを考えながら読むのが好きな人に向いています。
物語を読むだけではなく、自分自身も推理しながら読み進めたい人は、本格ミステリーを探してみてはいかがでしょうか?
おすすめの1冊 『そして誰もいなくなった』 著:アガサ・クリスティ
『そして誰もいなくなった』は、ミステリーの王道ともいえる作品です。
孤島という閉ざされた場所で、次々と事件が起こっていきます。
「次のターゲットは誰なのか?」
「犯人は誰なのか?」
「いったい、どうやって犯行を行ったのか?」
次々と浮かび上がる謎を、自分でも考えながら読み進めることができます。
ミステリー小説の原点ともいえる作品なので、「一度は王道ミステリーを読んでみたい」という初心者にもおすすめです。
▽読後の感想記事はこちら

世界一売れたミステリー小説、そして誰もいなくなった。1939年の発売から、今なお世界中で読み継がれています。ミステリー小説に興味がない人でも、タイトルを聞いたことがあるのではないでしょうか。古典ミステリーの最高峰に君臨し […]
■事件の真相が明らかになる過程を楽しみたい
「ミステリーには興味があるけど、難しい推理はちょっと苦手……」
そんな人もいると思います。
ミステリーだからといって、必ずしも自分で犯人やトリックを当てなければいけないわけではありません。
物語を読み進めながら、
「いったい何が起きているんだろう?」
「そういうことだったのか!」
と、少しずつ疑問が解消されていく過程を楽しむのも、ミステリーの面白さです。
自分で謎を解くことよりも、物語の中で少しずつ真相が見えてくる展開を楽しみたい人は、変わった切り口の作品を探してみるのもおすすめです。
おすすめの1冊 『人類最初の殺人』 著:上田未来
『人類最初の殺人』は、「人類としての最初の殺人はどんなことだったのか?」という、ちょっと変わった視点から犯罪について描いた作品です。
殺人だけではなく、詐欺など、さまざまな犯罪の起源が語られていきます。
犯人を推理したり、トリックを見破ったりするタイプのミステリーとは少し違います。
「なるほど、そういう考え方もあるのか」
と、事件そのものについて考えながら読める作品です。
短編集なので、1話ずつ読み進められるのも初心者には嬉しいポイント。
難しい謎解きよりも、ちょっと変わったミステリーを楽しみたい人におすすめです。
▽読後の感想記事はこちら

■衝撃的な真相で驚きたい
「最後に思いっきり驚きたい!」
そんな人には、どんでん返しが楽しめるミステリーがおすすめです。
ミステリー小説を探していると、「どんでん返し」という言葉を目にすることも多いと思います。
物語を読み進めていき、
「なるほど、こういう話なのね」
と思っていたところで、最後にその印象が大きくひっくり返る。
これが、どんでん返しの醍醐味です。
「えっ、そういうことだったの?」
「最初から読み返したい!」
そんな衝撃を味わいたい人は、「どんでん返し」で作品を探してみると、自分に合うミステリーを見つけやすいと思います。
おすすめの1冊 『ルビンの壺が割れた』 著:宿野かほる
『ルビンの壺が割れた』は、ある男女のSNSでのやり取りを中心に物語が進んでいきます。
久しぶりに再会した2人ですが、どこかよそよそしいやり取りが続きます。
「本当にこれがミステリーなの?」
そんなことを思いながら読み進めていると、少しずつ見え方が変わっていきます。
特に注目したいのが、最後に待っている衝撃。
「どんでん返しのある作品を読んでみたい」という初心者には、手に取りやすい1冊です。
本のボリュームが少ないので、長い小説が苦手な人にもおすすめできます。
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■迫る恐怖にハラハラしたい
「謎解きよりも、ハラハラする展開を楽しみたい!」
そんな人もいるでしょう。
逃げ場のない恐怖。
時間が迫る焦り。
犯人がわからない不安。
次に何が起こるかわからない緊張感。
自分も物語の中に入り込み、登場人物と一緒に危機を体験するような感覚です。
ミステリーというより、サスペンスやホラーに近い作品もありますが、恐怖や緊張感を楽しめるミステリーもたくさんあります。
おすすめの1冊 『#真相をお話しします』 著:結城真一郎
『#真相をお話しします』は、短編で構成されたミステリー作品です。
一つひとつの物語は短くまとまっていますが、その中には突然襲ってくる恐怖や、追い詰められていく緊張感があります。
そして、怖さのポイントは「身近さ」。
特別な場所で起こる事件ではなく、日常の延長線上にありそうな出来事だからこそ、
「もしかしたら、こんなことがどこかで起きているのでは?」
と感じてしまいます。
状況がイメージしやすく、物語にも入り込みやすいので、怖さやハラハラ感のあるミステリーを読みたい初心者におすすめです。
▽読後の感想記事はこちら

「短くて読みやすいミステリーを読みたい」「怖さのあるミステリーを読んでみたい」「最後に驚かされる小説が好き」 そんな人におすすめしたいのが、結城真一郎さんの『#真相をお話しします』です。 本作は、5つの物語が収録された短 […]
■犯罪に至る人間の心理を知りたい
ミステリーの面白さは、犯人探しだけではありません。
「なぜ、この人は犯罪を犯したのか?」
「どうして、こんな行動を取ったのか?」
「人はどんなときに、道を踏み外してしまうのか?」
そんな人間の心理に注目して読むこともできます。
事件だけではなく、事件に関わった人たちの感情や行動を深く楽しみたい人は、「心理ミステリー」という視点から作品を探してみるのもおすすめです。
おすすめの1冊 『私はチクワに殺されます』 著:五条紀夫
タイトルからして「どういうこと?」と思ってしまう作品です。
その名のとおり、チクワが事件に関係してくるという、かなり変わった設定になっています。
「チクワでミステリー?」
と思ってしまいますが、内容はしっかりとしたミステリー。
事件が起こったきっかけや、関係する人たちの行動、家族の心境、事件を追う人たちの感情など、人間の心理が細かく描かれています。
しかも、物語は二転三転。
「いったいどういうことなんだ?」
と思いながら読み進めることができます。
変わった設定と人間心理の両方を楽しみたい人におすすめしたい作品です。
本のボリュームも少ないので、初心者でも読みやすいと思います。
▽読後の感想記事はこちら

「私はチクワに殺されます。」このタイトルを見て、どんなミステリーを想像しますか? おでんや煮物などに入っている、あの「チクワ」です。チクワと殺人事件。普通に考えれば、まったく結びつかない2つの言葉ですよね。私もタイトルを […]
■人間や社会の正義について考えたい
「人間の心理だけではなく、社会そのものについて考えたい」
そんな人には、社会派ミステリーがおすすめです。
「社会の仕組みに問題があるのでは?」
「本当にこれが正しいの?」
「自分だったら、どうするだろう?」
社会派ミステリーでは、事件を通して、人間や社会の問題を考えさせられる作品があります。
単純に「犯人は誰?」だけでは終わらず、読み終わったあとにも、
「何が正しかったんだろう?」
と考えさせられるのが特徴です。
おすすめの1冊 『告白』 著:湊かなえ
『告白』は、とある学校で起きた出来事をきっかけに、教師や生徒、家族など、さまざまな人物の心理が描かれていく作品です。
それぞれの立場から物語を読み進めることで、
「この人は、なぜこんな行動をしたのだろう?」
「本当に正しいのはどちらなのだろう?」
と、いろいろなことを考えさせられます。
いわゆる「イヤミス」と呼ばれる作品で、読んでいて苦しくなるような部分もあります。
それでも、文章が読みやすく、続きが気になってページをめくる手が止まらなくなる作品です。
事件の謎だけではなく、人間や社会について深く考えてみたい初心者におすすめです。
▽読後の感想記事はこちら

■探偵と一緒に謎を解決したい
「ただ読むだけではなく、自分も推理に参加したい!」
そんな人には、読者が探偵と一緒に謎を解いていくタイプのミステリーがおすすめです。
「自分なら犯人を見つけられるか?」
「この証拠から何がわかる?」
そんなふうに、物語に参加するような感覚で読むことができます。
ミステリーを「読む」というより、一緒に謎を解くゲームのように楽しみたい人に向いています。
おすすめの1冊 『体育館の殺人』 著:青崎有吾
『体育館の殺人』は、とある高校の体育館で起きた殺人事件を、天才的な頭脳を持つ高校生・裏染天馬が解決していく物語です。
裏染天馬の個性的なキャラクターも魅力ですが、この作品の面白さは、それだけではありません。
物語が進むにつれて、事件の手がかりが少しずつつながっていきます。
そして、物語の後半には「読者への挑戦」もあります。
いったん本を閉じて、
「自分なら犯人を当てられるか?」
と考えてみる。
そんな楽しみ方ができる作品です。
探偵と一緒に謎解きを楽しみたい人には、特におすすめしたい1冊です。
▽読後の感想記事はこちら

■日常とは違う世界を楽しみたい
「現実では味わえない世界に入り込みたい!」
そんな人は、ファンタジーや特殊設定を取り入れたミステリーを探してみてはいかがでしょうか?
仕事や勉強、人間関係など、毎日の生活に疲れてしまうこともありますよね。
そんなとき、読書なら現実とは違う世界へ行くことができます。
魔法がある世界。
動物が話す世界。
童話の世界。
現実ではありえない設定。
ミステリーでありながら、そんな非日常の世界観を楽しめる作品もあります。
「せっかく本を読むなら、現実を忘れて物語の世界に入り込みたい」
という人におすすめです。
おすすめの1冊 『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』 著:青柳碧人
『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』は、そのタイトルからもわかるように、「赤ずきん」をはじめとした童話の世界を舞台にしたミステリーです。
主人公の赤ずきんが旅をする中で、さまざまな事件に巻き込まれていきます。
シンデレラやマッチ売りの少女など、誰もが知っている童話が登場するので、
「あの童話が、こんなことになるの?」
というワクワク感を味わえます。
親しみのある童話の世界でありながら、しっかりとミステリーとして楽しめる作品です。
現実とは違う世界観を楽しみながら、ミステリーも読みたい初心者におすすめです。
▽読後の感想記事はこちら

誰もが知っている『赤ずきん』が旅先で次々と事件に巻き込まれてしまいます。 可愛らしい少女に降りかかる災難。赤ずきんを救ってくれる白馬の王子様も、助言をくれる博識な動物もいません。赤ずきんは自力で事件を解決するしかありませ […]
■それでも迷ったら「読みやすさ」で選んでみよう
ここまで8つのタイプを紹介しました。
「自分がどのタイプなのか、いまいちわからない……」
という人もいると思います。
そんなときは、まず読みやすさを基準に選んでみるのもおすすめです。
特にミステリー初心者なら、
ページ数が少ない
短編集になっている
登場人物が多すぎない
文章が読みやすい
複雑すぎる設定ではない
1冊で完結する
といった作品を選ぶと、最後まで読み切りやすくなります。
「ミステリーって面白い!」
と思える作品に出会えれば、そのあとに少し難しい作品へ挑戦するのもいいでしょう。
最初から難しい作品を無理して読む必要はありません。
まずは「最後まで楽しく読めた」という経験を作ることが、ミステリーを好きになる一番の近道だと思います。
■まとめ|自分が「何を楽しみたいか」でミステリーを選ぼう
今回は、ミステリー初心者が自分に合う作品を選びやすいように、8つのタイプに分けてみました。
あなたはどのタイプ?
・犯人探しやトリックを楽しみたい
→ 本格ミステリー
→ 『そして誰もいなくなった』
・事件の真相が明らかになる過程を楽しみたい
→ 変わった切り口のミステリー
→ 『人類最初の殺人』
・衝撃的な真相で驚きたい
→ どんでん返し系ミステリー
→ 『ルビンの壺が割れた』
・迫る恐怖にハラハラしたい
→ サスペンス・恐怖系ミステリー
→ 『#真相をお話しします』
・犯罪に至る人間の心理を知りたい
→ 心理系ミステリー
→ 『私はチクワに殺されます』
・人間や社会の正義について考えたい
→ 社会派ミステリー
→ 『告白』
・探偵と一緒に謎を解決したい
→ 読者参加型・本格ミステリー
→ 『体育館の殺人』
・日常とは違う世界を楽しみたい
→ 特殊設定・ファンタジーミステリー
→ 『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』
もちろん、今回紹介した8つがすべてではありません。
「とにかく笑えるミステリーがいい」
「怖くないミステリーが読みたい」
「短いミステリーを読みたい」
など、人によって読みたい作品は違います。
だからこそ、「評価が高いから読む」のではなく、「自分は何を楽しみたいのか?」を考えて作品を選んでみてください。
今回紹介した作品が、そのきっかけになれば嬉しいです。
そして、いろいろな作品を読んでいるうちに、
「自分はこういうミステリーが好きなんだ!」
という好みが見つかってくるはずです。
ぜひ、自分に合ったお気に入りの1冊を探してみてください。

