「特許侵害」と聞いて、面白そうだと思う人は少ないかもしれません。
私自身も、読む前は「法律や専門用語ばかりで難しそう」という印象を持っていました。
しかし、本作はそんなイメージを良い意味で裏切ってくれます。
主人公は、特許トラブルを解決する女性弁理士・大鳳未来。企業同士の知財争いをテーマにしながらも、次々と明らかになる真実や駆け引きがスリリングで、まるで本格ミステリーを読んでいるような面白さがあります。
「知財」や「特許」の知識がなくても楽しめる、新感覚のリーガルミステリーでした。
■あらすじ
もともとは特許権を武器に、企業へ巨額の賠償金を請求していた凄腕弁理士・大鳳未来。
現在は、「特許侵害を警告された企業を守る」ことを専門とする特許法律事務所を立ち上げ、さまざまな案件を解決していました。
そんなある日、人気VTuber・天ノ川トリィの所属事務所から依頼が舞い込みます。
映像配信に使用している技術が他社の特許を侵害しているとして、活動停止を求められたのです。
一見すると勝ち目のない案件に思えましたが、調査を進めるうちに、企業同士の思惑や隠された事実が次々と浮かび上がります。
果たして未来は、依頼人を守り抜くことができるのでしょうか。
■感想
本作最大の魅力は、特許という専門的なテーマを、誰でも楽しめるエンターテインメントに仕上げていることです。
特許や知財と聞くと難しそうに感じますが、物語の中で自然に説明されるため、専門知識がなくても問題なく読み進められます。
むしろ、「特許ってこんな世界だったのか」と、新しい発見を楽しみながら読むことができました。
主人公の大鳳未来は、知識と交渉力を武器に戦う弁理士です。
私は、弁理士という職業があることすら知りませんでした。
弁理士とは、特許や商標などの知的財産を扱う専門家らしく、大鳳未来もその知識を活かし、企業相手に立ち向かっていきます。
相手を力でねじ伏せるのではなく、法律や特許制度を巧みに利用しながら状況をひっくり返していく姿は爽快でした。
私も仕事で電子機器を取り扱うことがありますが、もし知的財産を侵害していると言われ、仕事がストップしてしまった場合を考えると、かなりゾッとします。
そんなときに大鳳未来のような人が現れたら、間違いなく「神様が来てくれた」と思ってしまうでしょう。
大鳳未来の自信に満ちた言動や、どんな相手にもひるまない姿勢も魅力で、「次はどんな方法で切り抜けるのだろう」と、ページをめくる手が止まりませんでした。
本作は、法律小説というだけではありません。
企業同士の思惑や隠された真実を少しずつ暴いていく展開は、まさに謎解きミステリー。
伏線の張り方も丁寧で、「そういうことだったのか」と納得できる場面が何度もありました。
殺人事件は起こりませんが、真実を追い求める面白さは本格ミステリーそのものです。
■こんな人におすすめ
・いつもとは違うテーマのミステリーを読んでみたい人
・法律や企業を舞台にした作品が好きな人
・頭を使う知的な駆け引きを楽しみたい人
・知識も得られるミステリーを探している人
■まとめ
『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』は、特許という珍しいテーマを扱いながらも、専門知識がなくても最後まで夢中になれるリーガルミステリーです。
知財トラブルを題材にした駆け引きは新鮮で、主人公・大鳳未来の活躍も見どころ。
「法律ものは難しそう」と感じている人ほど、その読みやすさと面白さに驚くはずです。
普段とはひと味違うミステリーを読んでみたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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