「ミステリー小説を読んでみたいけど、怖い話は苦手……」
そんな人はいませんか?
ミステリーと聞くと、
「殺人事件が起こる」 「犯人が怖い」 「読んでいて緊張する」
というイメージを持っている人も多いと思います。
確かにミステリーには、ホラーのような怖さや、読んでいて気分が重くなる作品もあります。
でも、すべてのミステリーが怖いわけではありません。
中には、殺人事件が起こっているのに思わず笑ってしまったり、登場人物のやり取りが楽しかったり、謎解きをゲーム感覚で楽しめたりする作品もあります。
そこで今回は、私が読んだミステリー小説の中から、「怖くない」「読みやすい」「楽しく読める」という視点でおすすめしたい10冊を紹介します。
「ミステリーは好きだけど怖い作品は苦手」という人はもちろん、
「これからミステリーを読んでみたい」
という読書初心者の方にもおすすめです。
もちろん、作品によっては殺人事件が登場します。
ただし、今回は恐怖感よりも、ユーモア・謎解き・キャラクター・意外な展開を楽しめる作品を中心に選びました。
まずは「怖くないミステリー」におすすめの3冊
「10冊もあると、どれから読めばいいかわからない」
そんな方のために、まずは特におすすめしたい3冊を紹介します。
『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』 著:青柳碧人
【おすすめ理由】
誰もが知っている童話「赤ずきん」を舞台にした、ユーモアたっぷりのミステリー。
童話の世界で殺人事件が起こるという設定ですが、怖さよりも知ってる童話が「そうなるのか!」という面白さを楽しめます。
ミステリー初心者にも読みやすく、気軽に楽しめる一冊です。
『地雷グリコ』 著:青崎有吾
【おすすめ理由】
「ゲーム」を使った頭脳戦が魅力の作品。
命を懸けたような重苦しい雰囲気ではなく、ゲームのルールを利用した駆け引きや、相手の裏をかく展開を楽しめます。
「怖くないミステリー」というより、「頭を使って楽しむミステリー」を探している人にもおすすめです。
『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』 著:五条紀夫
【おすすめ理由】
タイトルからして、すでに普通のミステリーではありません。
誰もが知っている「走れメロス」を題材に、殺人事件とユーモアを組み合わせた作品です。
ムチャクチャなメロスに「殺人事件なのに、こんなに笑っていいの?」
と思ってしまうような展開が魅力。
怖いミステリーが苦手な人でも、楽しく読みやすい一冊です。
■「怖くないミステリー」の選定基準
今回の10冊は、単純に「殺人事件が起こらない作品」を選んだわけではありません。
むしろ、殺人事件や事件の謎が登場しても、恐怖よりも楽しさを感じられる作品を中心に選びました。
選ぶ際に重視したのは、
・怖すぎない
・読みやすい
・ユーモアがある
・キャラクターが魅力的
・謎解きを楽しめる
・物語に入り込みやすい
といったポイントです。
そのため、「ミステリーを読んでみたいけれど、怖い作品は苦手」という方でも挑戦しやすい作品を集めています。
■怖くないミステリー小説おすすめ10選
・赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。 著:青柳碧人
おすすめ度:★★★★★
こんな人におすすめ
・怖くないミステリーを読みたい人
・童話が好きな人
・ユーモアのあるミステリーが好きな人
・ミステリー初心者
感想
「赤ずきん」と「ミステリー」という、一見すると不思議な組み合わせから生まれた作品です。
舞台となるのは、誰もが知っている童話の世界。
そこで赤ずきんが旅をする中、さまざまな事件に遭遇します。
童話の登場人物たちがミステリーの登場人物になることで、知っている物語がまったく違った姿に見えてきます。
本作の魅力は、殺人事件を扱っているのに、怖さよりも面白さが先に来るところ。
「シンデレラ」や「ヘンゼルとグレーテル」など、おなじみの童話が登場するので、読書に慣れていない人でも物語に入りやすいと思います。
童話を知っているからこそ楽しめる仕掛けもあり、
「その設定をミステリーに使うのか!」
と驚かされます。
怖いミステリーが苦手な人に、最初におすすめしたい一冊です。
詳しい感想はこちら

誰もが知っている『赤ずきん』が旅先で次々と事件に巻き込まれてしまいます。 可愛らしい少女に降りかかる災難。赤ずきんを救ってくれる白馬の王子様も、助言をくれる博識な動物もいません。赤ずきんは自力で事件を解決するしかありませ […]
・地雷グリコ 著:青崎有吾
おすすめ度:★★★★★
こんな人におすすめ
・頭脳戦が好きな人
・ゲームを題材にした作品が好きな人
・テンポのいいミステリーを読みたい人
・怖くないミステリーを探している人
感想
本作の魅力は、何といっても「ゲーム」と「頭脳戦」です。
登場人物たちは、さまざまなゲームを通して相手と勝負します。
ただゲームをするだけではありません。
相手がどんな作戦を仕掛けてくるのか。
ルールの裏側をどう利用するのか。
そして、自分ならどうやって相手を出し抜くのか。
読んでいるこちらまで、思わず一緒になって考えてしまいます。
ミステリーというと「犯人を当てる」というイメージがありますが、本作は少し違います。
「相手は何を考えているのか?」
「この状況をどうひっくり返すのか?」
という頭脳戦そのものを楽しめる作品です。
怖さとは無縁のミステリーなので、謎解きや駆け引きが好きな人には特におすすめです。
詳しい感想はこちら

・殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス 著:五条紀夫
おすすめ度:★★★★★
こんな人におすすめ
・笑えるミステリーが好きな人
・童話や名作文学が好きな人
・変わった設定のミステリーを読みたい人
・怖い作品が苦手な人
感想
タイトルを見ただけで「何だこの作品は?」と思ってしまう一冊です。
誰もが知っている太宰治の「走れメロス」を題材に、殺人事件を組み合わせています。
普通なら、メロスは妹の結婚式を終え、約束を守るために走ります。
しかし、本作ではそこに殺人事件が絡んできます。
「いや、メロス、それどころじゃない!」
と思ってしまうような状況が次々と起こり、物語は予想外の方向へ進んでいきます。
殺人事件を扱っているにもかかわらず、読んでいて感じるのは恐怖よりも「面白さ」や「おかしさ」。
知っている物語だからこそ、「こんな展開になるの?」という驚きも楽しめます。
ミステリー初心者でも気軽に手に取れる、ユニークな作品です。
詳しい感想はこちら

・謎解きはディナーのあとで 著:東川篤哉
おすすめ度:★★★★★
こんな人におすすめ
・コメディ要素のあるミステリーが好きな人
・個性的な探偵役が好きな人
・短編ミステリーを読みたい人
・気軽に読める作品を探している人
感想
本作の大きな魅力は、ミステリーとコメディのバランスです。
事件そのものは本格的な殺人事件なのですが、登場人物たちのやり取りがとにかくコミカル。
特に、執事の影山が披露する推理と、毒舌な言葉遣いが印象に残ります。
事件の謎をしっかり楽しみながらも、重苦しい雰囲気になりすぎません。
「ミステリーを読みたいけど、暗い話はちょっと……」
という人にもおすすめです。
一つ一つの事件が短編形式になっているため、少しずつ読み進められるのも嬉しいポイント。
気軽に楽しめるミステリーを探している人におすすめです。
詳しい感想はこちら

「お嬢様の目は節穴でございますか」このセリフを聞いたことのある人もいるのではないでしょうか? 大富豪のお嬢様と、その屋敷に仕える執事。圧倒的にお嬢様のほうが権力が上で、執事はいつでも首を切られる立場なのに、なぜかお嬢様に […]
・むかしむかしあるところに、死体がありました。 著:青柳碧人
おすすめ度:★★★★★
こんな人におすすめ
・童話が好きな人
・ユーモアのあるミステリーが好きな人
・短編ミステリーを読みたい人
・ミステリー初心者
感想
「桃太郎」「浦島太郎」「鶴の恩返し」など、誰もが知っている昔話に殺人事件を組み合わせた作品です。
昔話とミステリー。
普通なら、あまり結びつかなさそうな二つの要素ですが、読んでみると驚くほど相性がいいことに気づきます。
知っている昔話だからこそ、
「この設定をどうミステリーにするんだろう?」
とワクワクしながら読めます。
そして、昔話のお約束を逆手に取った仕掛けも楽しめます。
怖いというより、「面白い」「なるほど」と感じられるタイプのミステリー。
ミステリーを初めて読む人にもおすすめしやすい作品です。
詳しい感想はこちら

・陽気なギャングが地球を回す 著:伊坂幸太郎
おすすめ度:★★★★☆
こんな人におすすめ
・明るい雰囲気のミステリーが好きな人
・個性的なキャラクターが好きな人
・テンポのいい作品を読みたい人
・伊坂幸太郎作品を読んでみたい人
感想
タイトルからもわかるように、とにかく明るく楽しい雰囲気の作品です。
個性的な4人の銀行強盗が登場し、それぞれが特殊な能力や個性を持っています。
犯罪を扱っている作品ですが、一般的な犯罪ミステリーとはかなり印象が違います。
登場人物同士の軽快な会話や、テンポのいいストーリーが魅力。
「次は何が起こるんだろう?」
と楽しみながら読み進められます。
重苦しいミステリーが苦手な人や、キャラクターを楽しみながら読める作品が好きな人におすすめです。
詳しい感想はこちら

・町内会死者蘇生事件 著:五条紀夫
おすすめ度:★★★★☆
こんな人におすすめ
・日常に近い舞台のミステリーが好きな人
・ユニークな設定の作品を読みたい人
・怖すぎないミステリーを探している人
・人間ドラマも楽しみたい人
感想
タイトルからして気になる作品です。
「死者蘇生事件」という言葉だけを見ると、とても怖そうに感じます。
しかし、本作はホラー作品というより、ユニークな設定を楽しみながら読むミステリーです。
舞台となるのが「町内会」という身近な場所なのも特徴。
日常的な場所で思いがけない事件が起こることで、物語に入り込みやすくなっています。
ミステリーでありながら、登場人物たちの人間関係や、それぞれの思惑も楽しめる作品。
「怖いミステリーは苦手だけど、変わった謎には興味がある」という人におすすめです。
詳しい感想はこちら

・シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱 著:高殿円
おすすめ度:★★★★☆
こんな人におすすめ
・シャーロック・ホームズが好きな人
・キャラクター重視のミステリーが好きな人
・現代的なミステリーを読みたい人
・女性探偵が活躍する作品を読みたい人
感想
「もし、シャーロック・ホームズが女性だったら?」
そんな発想から生まれたのが本作です。
舞台は現代のロンドン。
そこで活躍するのが、女性版ホームズともいえるシャーリー・ホームズです。
ホームズを思わせる推理やキャラクターを楽しみながらも、現代的な設定が加わることで、また違った魅力があります。
本格的な謎解きを楽しめる一方、シャーリー自身のキャラクターにも惹きつけられます。
怖さを楽しむ作品ではなく、「探偵が事件を解決していく楽しさ」を味わえる作品です。
シャーロック・ホームズが好きな人や読んでないけど興味がある人には、特におすすめしたい一冊です。
詳しい感想はこちら

「もし、シャーロック・ホームズが女性だったら?」 そんな発想から生まれたのが、高殿円さんの『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』です。 本作は、コナン・ドイルの名作『シャーロック・ホームズ』シリーズを大胆にアレンジした作品 […]
・君のクイズ 著:小川哲
おすすめ度:★★★★☆
こんな人におすすめ
・頭を使う作品が好きな人
・クイズが好きな人
・論理的に考えることが好きな人
・殺人事件のないミステリーを読みたい人
感想
「クイズ番組で、まだ問題が読み上げられていないのに、なぜ回答者は正解できたのか?」
そんな謎を追っていく作品です。
一般的なミステリーとは違い、殺人事件が中心ではありません。
それでも、「なぜ?」という謎を追い、少しずつ真相に近づいていく面白さは、まさにミステリー。
クイズという身近な題材を使っているので、読書初心者でも入りやすいと思います。
「ミステリーは好きだけど、殺人事件はちょっと苦手」
という人にもおすすめできる作品です。
読んでいる途中で、自分自身も謎について考えたくなるところも魅力です。
詳しい感想はこちら

・人類最初の殺人 著:上田未来
おすすめ度:★★★★☆
こんな人におすすめ
・変わった設定のミステリーが好きな人
・「最初の殺人」というテーマに興味がある人
・歴史や人類に関係するミステリーが好きな人
・普通とは違うミステリーを読みたい人
感想
「人類が初めて殺人を犯したとき、一体何が起こったのか?」
そんな壮大なテーマを扱ったミステリーです。
「人類最初の殺人」という言葉だけを見ると、とても重い作品に感じるかもしれません。
しかし、本作の面白さは、誰も答えを知らない「最初の殺人」という謎に挑んでいくところ。
普通の現代ミステリーとは違ったスケールで物語が展開していきます。
「ちょっと変わったミステリーを読んでみたい」
という人には、ぜひ手に取ってほしい作品です。
詳しい感想はこちら

■怖くないミステリーをタイプ別に選ぶなら?
今回紹介した10冊は、どれも「怖くない」という共通点がありますが、物語にはそれぞれの魅力があり、楽しみ方も1冊1冊違っています。
それぞれの魅力をグループごとに分類してみましたので、自分の好みに合うような作品を選んでみてください。
【とにかく楽しく笑えるミステリー】
・赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。
・殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス
・謎解きはディナーのあとで
・陽気なギャングが地球を回す
【頭を使って楽しみたい】
・地雷グリコ
・君のクイズ
・シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱
【童話・昔話が好き】
・赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。
・むかしむかしあるところに、死体がありました。
・殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス
【殺人事件の怖さが苦手な人に特におすすめ】
・君のクイズ
・地雷グリコ
・謎解きはディナーのあとで
・赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。
■まとめ
ミステリー小説には、怖い作品だけではありません。
殺人事件が起こっても、ユーモアやキャラクター、謎解きの面白さを中心に楽しめる作品もたくさんあります。
今回紹介した10冊も、
「童話×ミステリー」
「ゲーム×頭脳戦」
「コメディ×ミステリー」
「日常×ミステリー」
「クイズ×ミステリー」
など、それぞれ違った魅力を持っています。
特におすすめしたいのは、
『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』
『地雷グリコ』
『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』
の3冊です。
「ミステリーには興味があるけど、怖い話は苦手」
という方は、まずこの3冊のどれかから読んでみてはいかがでしょうか。
怖さよりも「面白い!」が先に来る作品なら、ミステリー初心者でもきっと楽しめるはずです。
ぜひ、自分に合った「怖くないミステリー」を見つけてみてください。
初心者におすすめの小説はこちらでも紹介しています。

「ミステリー小説を読んでみたいけれど、どの本を選べばいいかわからない」そんな人も多いのではないでしょうか? ミステリー小説には、複雑なトリックを扱った本格ミステリーや、怖い作品、文章量の多い作品など、さまざまなタイプがあ […]

読書を始めてみたいけれど、分厚い本を見ると「最後まで読めるかな……」と不安になることはありませんか? 私も読書を始めた頃は、本屋で有名な作品を手に取っては、その厚さに圧倒されて購入を諦めたことが何度もありました。 読書初 […]

