世界一売れたミステリー小説、そして誰もいなくなった。
1939年の発売から、今なお世界中で読み継がれています。
ミステリー小説に興味がない人でも、タイトルを聞いたことがあるのではないでしょうか。
古典ミステリーの最高峰に君臨し、時代を超えた現在でも十分に楽しめるストーリーは、多くのミステリー作品の基盤になっています。
読書初心者の方には、まずこの『そして誰もいなくなった』を読んでから、他のミステリー小説に触れていくことをオススメします。
■あらすじ
とある孤島に、年齢も職業も異なる男女8人が招待された。
島には豪華な邸宅が建てられているものの、招待した「オーウェン」という人物に会ったことがある者は誰もいない。島に到着した一行を出迎えたのは、オーウェンの使用人だというロジャース夫妻だった。
邸宅の中には、10体の人形と、誰もが知る子守唄の歌詞が飾られていた。
やがて晩餐会が始まり、見知らぬ者同士だった一同も会話を楽しみながら過ごしていた。しかし、その夜、突然蓄音機から人の声が流れ始める。
それは、この島にいる10人それぞれの過去の罪を告発するものだった。
なぜ自分たちは、この島に集められたのか。 そして、姿を見せないオーウェンとは何者なのか。
不安と疑念が広がる中、島では少しずつ異変が起こり始める。
果たして、10人を島へ集めた人物の目的とは――?
■感想
さすが、世界一売れたミステリー小説です。
孤島という逃げ場のない空間。
そこに閉じ込められた人々と、姿の見えない謎の犯人。
次々と事件が起きていき、「次は自分かもしれない」という緊張感があります。
ストーリーが進むにつれて犯人が絞られていくはずなのに、終盤まで正体が分からず、疑問と焦りがどんどん増していきました。
物語は10人それぞれの視点を交えながら進んでいきます。
各人物の感情や考え方が分かりやすく描かれており、会話も多いため、読書初心者でも比較的スラスラ読み進めることができました。
1939年、日本で言えば昭和14年。
太平洋戦争が始まる以前に書かれた作品です。
古典ミステリーと呼ばれる作品ですが、内容は決して古臭くありません。
展開やトリックも「なるほど、そういうことか」と納得でき、今読んでも何十年も前の作品とは思えないほど楽しめました。
多くのミステリー作品の原点となっている本書は、これからミステリーを読んでいこうと思っている人に、まず読んでもらいたい作品です。
現代ミステリーのような衝撃的などんでん返しがあるわけではありませんが、多くの作品で本書の名前やトリックがモチーフとして使われています。
そのため、本書を知ったうえで他のミステリーを読むと、より深く楽しめると思います。
一方で、ある程度ミステリーを読んでいる人にとっては、王道的な内容で、トリックも見慣れたものに感じるかもしれません。
刺激の強い現代ミステリーと比べると、確かに少し物足りなさはあります。
ただ、ミステリー好きとして、この作品を読まないのはもったいないです。
むしろ、ミステリー経験が少ない初心者のうちに読んでおいたほうが、本作の魅力をより強く感じられると思います。
読む時の注意点としては、登場人物の名前や特徴を意識しながら読み進めることです。
海外作品あるあるかもしれませんが、名前が覚えにくく、「誰がどんな人物だったか」が分からなくなることがあります。
そのまま読み進めると、重要な場面で混乱してしまうかもしれません。
これは私自身の失敗談でもあります。
登場人物をしっかり把握しないまま読み進めてしまい、最後のネタばらしの場面で「誰?どの人?」となってしまいました。
読み返してから「なるほど」と理解できましたが、できれば初見のまま最後の衝撃を味わいたかったです。
■まとめ
『そして誰もいなくなった』は、世界を代表するミステリー小説です。
数多くの作品が参考にしてきた“原点”とも言える内容が、この一冊に詰まっています。
会話形式が多く、比較的読みやすいため、読書初心者にもオススメできる作品です。
今後さまざまなミステリー小説に出会っていくことを考えると、むしろ初心者だからこそ早めに読んでおくべき一冊だと思います。
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