読書を始めてみたいけれど、分厚い本を見ると「最後まで読めるかな……」と不安になることはありませんか?
私も読書を始めた頃は、本屋で有名な作品を手に取っては、その厚さに圧倒されて購入を諦めたことが何度もありました。
読書初心者の方は、まず1冊を最後まで読み切ることを目標にしてみてください。
読み切った経験は自信になりますし、自分の読書ペースも把握できるようになります。
そこで今回は、私が実際に読んだミステリー小説の中から、300ページ以下で比較的読みやすい作品を10冊紹介します。
「ミステリーを読んでみたいけれど何から始めればいいかわからない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
■まずはこの3冊がおすすめ
・むかしむかしあるところに、死体がありました。 著:青柳碧人
【おすすめ理由】
誰もが知っている昔話がモチーフなので、物語の内容をイメージしやすい作品です。
本が比較的薄いうえに短編集になっており、1つの物語も短め。
読書に慣れていない人でも、1話ずつ区切って読むことができます。
「まずは読みやすいミステリーから始めたい」という人におすすめです。
・殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス 著:五条紀夫
【おすすめ理由】
太宰治の名作『走れメロス』をパロディにした、かなり変わったミステリーです。
薄めの本の中に、メロスの無茶苦茶な行動とドタバタ劇が詰まっていて、笑いながら読み進めることができます。
「難しいミステリーは苦手だけど、小説を楽しんでみたい」という人にもおすすめです。
・ルビンの壺が割れた 著:宿野かほる
【おすすめ理由】
男女のメッセージのやり取りを中心に物語が進んでいくため、文章を追いやすく、ページ数も176ページと非常に少ない作品です。
そして何より、最後に待っているどんでん返しが強烈。
「短い時間で読めて、ミステリーならではの衝撃も味わいたい」という人におすすめです。
■今回紹介する作品の選定基準
読書初心者の私が実際に読んだ作品の中から、300ページ以下のミステリー小説を選んでいます。
初心者の方には、まずページ数の少ない本が手に取りやすいかと思います。
特に、300ページ以下であれば、「分厚くて読み切れないかも」という心理的なハードルも下がります。
ページ数を基準にしたうえで、読みやすさ、ストーリーのわかりやすさ、ミステリーとしての面白さ、読後の満足感などを総合的に考えて、読書初心者におすすめできる10冊を選びました。
紹介する作品には順位はありませんので、気になったものがあれば、ぜひ手に取ってみてください。
【300ページ以下のおすすめ10選】
■むかしむかしあるところに死体がありました。 著︰青柳碧人
ページ数︰296ページ
【こんな人におすすめ】
・非現実的な内容を求めている人
・長い話に抵抗がある人
・ミステリー小説にチャレンジしたい人
【感想】
子供のころに聞いたり読んだりした昔話の中で事件が起きます。
知っている話が元になっているので、状況が自然とイメージでき、話がすんなりと頭に入ってきます。
ストーリーも面白く、「あの昔話の主人公がこんなことになるなんて」と驚きながらも、ミステリーの内容として「なるほど」と思えるトリックがあったり、とても楽しく読み進めることができます。
ページ数が少ないうえ、短編集となっていて、5つの物語で構成されています。
それぞれが1話完結になるので、読書に慣れていない人でも1話ずつ読んでいくことができます。
ミステリーに初めて触れる人には、事件が起き、推理し、トリックを暴く。そして思いもよらない結末が待っているという、ミステリーの流れがわかる作品になっています。
ミステリー小説の入門書として、初心者の方におすすめしたい1冊です。
【詳しい感想はこちら】

■殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス 著︰五条紀夫
ページ数︰272ページ
【こんな人におすすめ】
・理屈よりパワープレイが好きな人
・笑える小説を探している人
・これから読書を始めたい人
【感想】
ミステリーの中でも特殊な作品です。
太宰治の『走れメロス』をパロディ化した内容で、楽しみながら読むことができます。
メロスが探偵役になりますが、事件を推理していくのではなく、強引に証言や証拠を引き出し、結果として事件が解決していきます。
メロスの無茶苦茶な考えや行動がとにかく笑え、読む手が止まらなくなります。
元ネタの『走れメロス』を読んだことがある人は、まさかこんな展開になるなんてと驚かされると思います。
『走れメロス』を読んだことがない人でも問題なく読むことができます。むしろ、読んだことのない人のほうが先入観なく、メロスの魅力に惹きつけられ、自然に楽しめると思います。
本が薄い、話がわかりやすい、人物が覚えやすい、そして、楽しみながら読めるといった初心者に優しい本になっていますので、これから読書を始めたい人には、とてもおすすめできる1冊です。
【詳しい感想はこちら】

■ルビンの壺が割れた 著︰宿野かほる
ページ数︰176ページ
【こんな人におすすめ】
・強烈などんでん返しを期待する人
・淡々と読んでいられる人
・時間が無い人
【感想】
私が読んだミステリー小説の中で1番ページ数が少ない作品になります。
薄い本なので、読み切るのに時間がかかりませんでした。
文章の中身も改行が多いので、初心者の方や時間の無い方でもすぐに読み終えることができます。
ストーリーですが、男女の手紙のようなメッセージのやりとりが淡々と最後まで続きます。ただそれだけです。事件は起きません。
やりとりの文章もしっかりとした敬語で書かれていて、丁寧でかしこまった文面です。
ストーリーは終始メッセージのやり取りで進むため、人によっては単調に感じるかもしれません。
ただ、この作品のどんでん返しは強烈すぎます。読んだ本の中で一番インパクトのあるどんでん返しでした。心霊写真で幽霊の姿を見つけた時のような全身が凍りつく感覚になります。
とにかくすごい衝撃で、このどんでん返しのために読む本と言ってもいいくらいです。
特に初心者の方はどんでん返しの凄さがわかる本ですので、だまされたと思って読んでみてください。
【詳しい感想はこちら】

■そして誰もいなくなった 著︰アガサクリスティー
ページ数︰274ページ
【こんな人におすすめ】
・世界一売れたミステリー小説に興味がある人
・ミステリーの基礎に触れたい人
・ミステリー小説をあまり読んだことのない人
【感想】
本書は世界一売れたミステリー小説です。
内容の面白さはもちろん、読書が苦手な人でも手に取りやすく、ストーリーもわかりやすいところが売れる要因の1つかと思います。
孤島という閉鎖空間で起きる連続殺人事件。犯人はこの場にいる誰かのはずだが全くわからない。逃げ場のない恐怖と、隣にいる人が犯人かもしれないという不信感で、何を信じればいいのか分からなくなります。
古典ミステリーと呼ばれていますが歴史を感じるような古さは無く、同じようなストーリーが現代ミステリーでも使われています。
そして、現代の色々なミステリー小説の作中に「そして誰もいなくなった」の名前が出たり、ストーリーをオマージュした内容が描かれていたりします。
本作を知っているだけで他の小説を読んだときの面白さが変わり、物語の本筋と違った部分での小さな発見があったりしますので、ミステリー小説をあまり読んだことのない人は、早いうちに本作を読んでいただきたいです。
【詳しい感想はこちら】

世界一売れたミステリー小説、そして誰もいなくなった。1939年の発売から、今なお世界中で読み継がれています。ミステリー小説に興味がない人でも、タイトルを聞いたことがあるのではないでしょうか。古典ミステリーの最高峰に君臨し […]
■お梅は呪いたい 著:藤崎翔
ページ数:296ページ
【こんな人におすすめ】
・怖すぎないミステリーを読みたい人
・笑える小説が好きな人
・変わった設定のミステリーを読みたい人
【感想】
「人を呪いたい」という、ちょっと怖そうなタイトルの作品です。
ところが、実際に読んでみると、タイトルから想像するような怖い話とは少し違います。
本作の面白さは、呪いたいのに、現代人になぜか全然通じないという設定にあります。
「呪ってやる!」と思っているのに、思いもよらない方向へ話が進んでいくため、怖さよりもコミカルな面白さを感じながら読むことができます。
設定がわかりやすく、物語にも入り込みやすいので、難しいミステリーが苦手な人でも挑戦しやすい作品です。
呪いを何回かけても、苦しむ様子のない現代人に「呪いはいつ成功するんだろう?」と気になって読み進めてしまいます。
タイトルから「ホラーなのかな?」と思ってしまうかもしれませんが、怖い作品が苦手な人でも比較的読みやすいと思います。
「普通のミステリーとは少し違う作品を読んでみたい」という人におすすめです。
【詳しい感想はこちら】

「ちょっと変わったミステリーを読んでみたい」「難しいことを考えず、笑いながら読める小説が読みたい」 そんな人におすすめしたいのが、藤崎翔さんの『お梅は呪いたい』です。 タイトルからすると、なんだか怖そうな作品に思えるかも […]
■仮面山荘殺人事件 著:東野圭吾
ページ数:294ページ
【こんな人におすすめ】
・先の展開が気になるミステリーを読みたい人
・閉鎖された空間で起こる事件が好きな人
・読みやすい本格ミステリーを探している人
【感想】
東野圭吾さんのミステリー作品の中でも、比較的コンパクトで読みやすい作品です。
物語は、婚約者の事故死から始まります。
悲しみに暮れる主人公たちが集まった山荘に、銀行強盗を名乗る人物たちが突然侵入してきて監禁状態に。
そこから、さらに殺人事件まで起こってしまいます。
逃げ場のない山荘の中で、仲間の中に犯人がいるのではないかという疑いが生まれていきます。
「いったい誰を信じればいいのか?」
そんな疑問を抱えながら読み進めることになるため、先の展開が気になって読む手が止まらなくなります。
序盤から次々と事件が起こるため、物語に入り込みやすいのも魅力です。
登場人物たちが疑い合う状況もわかりやすく、ミステリー初心者でもストーリーを追いやすい作品だと思います。
300ページ以下に収まっているため、「東野圭吾さんの作品を読んでみたいけれど、分厚い本はちょっと……」という人にもおすすめです。
物語の序盤から一気に引き込まれるミステリーを読みたい人は、ぜひ読んでみてください。
【詳しい感想はこちら】

「次は何が起こるんだ?」そう思いながら、ページをめくる手が止まらなくなる。今回紹介するのは、東野圭吾さんの『仮面山荘殺人事件』です。 本作は、湖畔の山荘に集まった男女が、逃亡中の銀行強盗に監禁され、その中で殺人事件が起こ […]
■イニシエーション・ラブ 著︰乾くるみ
ページ数︰272ページ
【こんな人におすすめ】
・恋愛や青春小説も読んでみたい人
・人の恋愛感情に興味がある人
・どんでん返しを期待している人
【感想】
ミステリーであり、恋愛小説でもあり、青春小説でもある本作。
冴えない男の甘酸っぱい恋愛ストーリーがメインです。
恋愛経験が浅く、不器用ながらも相手を想い精一杯努力する姿に、2人を応援したくなります。
本書は2部構成になっていて、それぞれで話の内容が変わっています。
第1部が出会いから付き合い出した頃の幸せ絶頂の部分、第2部が長く一緒にいることで擦れ違いが起きるが、頑張って立て直そうとする内容になっています。
話の切り替わりがあることで、1度休憩できますので、初心者の方にも優しい構成になっています。
そして、物語の最後には衝撃的などんでん返しが待っています。
このどんでん返しでミステリー小説であることを思い出し、物語のイメージが180度変わります。
本書は比較的薄く、読書に慣れていない人でも読み切れるボリュームになっていますので、どんでん返しの衝撃を体験したい方におすすめできる1冊です。
【詳しい感想はこちら】

■シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱 著:高殿円
ページ数:288ページ
【こんな人におすすめ】
・ホームズ作品が気になる人
・先端科学を使ったミステリーを読みたい人
・女性が活躍する作品を読みたい人
【感想】
「もしシャーロック・ホームズが女性だったら?」
そんな発想から生まれた作品です。
舞台は現代のロンドン。
シャーロック・ホームズを思わせる女性探偵・シャーリーが、さまざまな謎に挑んでいきます。
シャーロック・ホームズという有名な探偵をベースにしていますが、ホームズを詳しく知らない人でも問題なく読むことができます。
登場人物のほとんどが女性という少し変わった設定ですが、事件が起き、探偵が謎を解いていくという流れはわかりやすく、ミステリー初心者でも読み進めやすい作品です。
分厚い長編小説に挑戦する前の1冊としても手に取りやすいと思います。
シャーロック・ホームズを知っている人はもちろん、ちょっと変わった探偵小説を読みたい人にもおすすめです。
【詳しい感想はこちら】

「もし、シャーロック・ホームズが女性だったら?」 そんな発想から生まれたのが、高殿円さんの『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』です。 本作は、コナン・ドイルの名作『シャーロック・ホームズ』シリーズを大胆にアレンジした作品 […]
■君のクイズ 著︰小川哲
ページ数︰248ページ
【こんな人におすすめ】
・クイズ番組をよく見る人
・殺人や犯罪の話に抵抗がある人
・謎解きの流れを知りたい人
【感想】
この本も比較的ページ数が少なく、読み切るのにあまり時間がかかりません。
クイズ番組が舞台となっていますので、普段テレビで見ている番組と情景を重ねることができ、話の内容がイメージしやすいです。
本作は犯罪が起きません。クイズの出題に対し、どうやって解答したのかを解き明かす内容ですので、誰も死なない平和なミステリーになっています。
初心者の方には、残虐な殺人シーンがあるハードなミステリー小説よりも、本作のような平和な作品のほうが、入門書として入りやすいと思います。
謎解きの部分は、論理的に1つずつ謎を解明していき、最後に真相にたどり着くといった事件の解決に向けた流れを順序よく体験することができます。
この部分も初心者の方でも理解できるような工夫がされています。
ページ数もストーリーも、初心者でも読みやすくなっていますので、入門書として丁度いい作品になっています。
【詳しい感想はこちら】

■私はチクワに殺されます 著:五条紀夫
ページ数:200ページ
【こんな人におすすめ】
・短いミステリーを読みたい人
・変わった設定の作品が好きな人
・段々と変わる展開を期待している人
【感想】
タイトルを見ただけで、「チクワに殺されるってどういうこと?」と思ってしまう作品です。
普通に考えれば、チクワは食べ物です。
それなのに、タイトルには「チクワに殺されます」と書かれている。
この時点で、かなり変わった作品だということがわかります。
物語もタイトルに負けないくらい独特です。
本作は、トラック運転手の男がチクワの穴を覗くと、穴から見えた人物が無残な死を遂げるというところから始まります。
「チクワにはどんな力があるのか?」
「なぜチクワで殺されるのか?」
という疑問が強烈なので、続きが気になってどんどん読み進めてしまいます。
本作の魅力は、一般的なミステリーとは違う発想です。
「そんなことを考えるの?」と思ってしまうような設定を、真面目にミステリーとして成立させているところが面白い作品です。
そして、ページ数は200ページ。
今回紹介する10冊の中でもかなり短く、読書初心者の方でも「これなら読めそう」と思いやすいボリュームです。
難しいミステリーに挑戦する前に、まずは変わった作品で読書を楽しんでみたいという人にも向いています。
「短くてインパクトのある作品を読みたい」という人におすすめの1冊です。
【詳しい感想はこちら】

「私はチクワに殺されます。」このタイトルを見て、どんなミステリーを想像しますか? おでんや煮物などに入っている、あの「チクワ」です。チクワと殺人事件。普通に考えれば、まったく結びつかない2つの言葉ですよね。私もタイトルを […]
■どの本から読むべき?
今回紹介した本に順位は付けていませんので、気に入った作品から読んでいただいて問題ありません。
各作品それぞれに特徴がありますので、気持ちに合わせて選んでいただければと思います。
目安として、グループ分けしてみました。
読書に慣れていない人におすすめできるものになっていますので、これから読書にトライしてみたい、ミステリー入門書を探しているという人は、ぜひ、参考にしてください。
【はじめてのミステリー入門書】
・むかしむかしあるところに死体がありました。
・殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス
・そして誰もいなくなった
【薄くてすぐ読める本】
・ルビンの壺が割れた
・私はチクワに殺されます
・君のクイズ
【どんでん返しを味わえる本】
・ルビンの壺が割れた
・イニシエーション ラブ
・仮面山荘殺人事件
【本格ミステリーを読んでみたい人】
・そして誰もいなくなった
・仮面山荘殺人事件
・シャーリー ホームズと緋色の憂鬱
【不思議な世界観】
・むかしむかしあるところに、死体がありました。
・お梅は呪いたい
・殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス
■まとめ
今回は、読書初心者でも手に取りやすい、300ページ以下のミステリー小説を10冊紹介しました。
ページ数が少ないからといって内容が薄いわけではありません。
短い作品でも、笑える作品、驚かされる作品、ゾクゾクする作品など、それぞれに違った魅力があります。
読書を始めたばかりの頃は、「面白い本を探すこと」よりも、「1冊を最後まで読み切ること」のほうが大切だと思います。
読み切った経験は自信になりますし、「もう1冊読んでみよう」という次の読書につながります。
分厚い本を見て、「自分には無理かも」と思ってしまう方は、まず300ページ以下の本から始めてみてはいかがでしょうか?
今回紹介した作品の中から、気になった作品を1冊選んで読んでみてください。
この記事が、あなたのミステリー読書の第一歩を後押しできれば嬉しいです。

